愛媛県・西条にて江戸時代から続く石鎚黒茶（いしづちくろちゃ）。
西日本一の標高を誇る石鎚山の麓で代々空海が伝えたと言われる製法を受け継ぎ、現在もすべての工程を手作業で行っております。石鎚黒茶は、日本国内に4品しか存在しない貴重な後発酵茶の中でもさらに珍しい二段発酵茶。二段発酵させることによる独自の深い香りと品のある酸味が特長のお茶で、色は黄金色をしております。
＊平成30年無形民俗文化財に指定。

石鎚黒茶づくりは、7月からはじまり、8月までの炎天下で行われます。
硬化した茶葉を山から切り出し、枝葉を切りそろえて洗浄、数時間こまめに様子を見ながら蒸し加熱作業をしたあとに発酵用の木桶に詰め込み山へ運び、石鎚の大自然に預けます。山では、桶に住み着いた菌でもある天然の微生物、糸状菌による好気発酵での一次発酵、乳酸菌による二次発酵を行います。2段階における発酵の間には一斉に並んで行う手揉み作業があり、どの工程も大変な手間と体力を要します。最後に太陽の下での天日乾燥の後、石鎚黒茶が仕上がります。
土地が生み出す独自の味わいや香り。変わらぬ環境や製法を受け継ぐ人々がいるからこその貴重なお茶です。